聴取率83.7%の“お化けラジオ局”はどうやって生まれたか(日経トレンディネット)

 「83.7%」という驚異的な聴取率で世間を驚かせた沖縄県読谷村のコミュニティー放送局 「FMよみたん」は何をしたのか。そのストーリーには現在のマーケティングに重要なポイントが凝縮されていた! ドミノ・ピザ ジャパンCMOの富永朋信氏が仲宗根朝治社長に迫る。

【関連画像】村内調査の結果、「83.7%」という驚異的な聴取率が明らかに

<前編はこちら>

富永: じゃあ、ちょっと話を変えて、今のFMよみたんの話をお伺いします。どんな思いで局を運営されているのでしょうか。

仲宗根: そもそもコミュニティー放送局というのはそれぞれ市町村に1局ずつみたいな感じでつくられていて、全国に300くらい。沖縄県には18局くらいあって、そのなかで10番目にできたのがFMよみたん。2017年11月で9年になりました。

 この放送局自身は私が代表でやっていますけど、地域の41人の株主でつくられているものですから、株主に還元しないといけない。こんなちっちゃい会社ですから、売り上げを伸ばすよりも地域のためになる事業を増やしていくほうが地域のためということで今は動いています。

 私が伝えたいのは、前回の東ティモールの話と同じように、やっぱり地域の情報は自分たちで発信する。読谷の人間が読谷の情報を読谷の人たちのために発信するというやり方でなければ、コミュニティー放送局は存続できないんじゃないかなと思うんですね。

 その結果として、開局2年後の2010年に愛知県の中京大学の方々が村内で調査をしたところ、聴取率68.5%という数字が出て話題になりました。そして4年後に追跡調査をしたところ、83.7%という数字が出て。

富永: ほお。

●有名人が呼べないなら「地域の人を有名人にしたい」

仲宗根: これは本当に驚異的な数字だということで、中京大学の加藤晴明教授が「沖縄にこんな放送局がある」と発表したんです。なぜここまで地域の人々が聴いているのかといろいろ質問されましたが、やっぱり今お伝えしたように本当に地域の細かい情報を発信することかなと。

 まず、本当にお金のない小さい放送局なので、有名な人を呼んで番組を作ったりはできない。それなら「地域の人を有名人にしたい」と思いました。例えば読谷村の婦人会の面白いおばちゃんに司会をさせたり、地域の高校で一番面白い人を番組のパーソナリティーにしたりして、地域のスターをつくり上げていく。地域だけのスターにもなりかねないですけれども、そのほうが受けがいいわけですよ、身近ですからね。

 そして、「この前ラジオでしゃべっているのを聴いたよ」と本土や海外の人たちから声をかけられると、やっぱりうれしくなってしまう。そういう地域に密着したローカル色あふれる放送をしている。それは僕が知っているこの人がしゃべっているから、この放送局が言っていることは信じられるというような部分なんですね。

 ボランティアでやっている人たちは楽しくてやっているわけです。そうすると、彼らは自分が好きなことをやるわけですから、一生懸命になるんですよ。番組は週1回1時間ですから、パーソナリティーさんは番組が終わると6泊7日で取材に行くようなものです。

VWに見えない高コスパ高級車「アルテオン」は売れる?(日経トレンディネット)

 フォルクスワーゲンが「ジュネーブショー2017」で世界初公開し、日本では2017年10月25日に発売した「アルテオン」は、5ドアのグランツーリズモ(GT)だ。税込み価格は549万~599万円で、日本に導入されているフォルクスワーゲン車の中では、最上級SUVの「トゥアレグ」(税込み649万円~)に次いで高価なモデルで、日本ではVWのフラッグシップカーと言えるだろう。

【関連画像】スポーツカーを意識したクーペのようなデザインも特徴的

 今回、このアルテオンに試乗する機会を得たので、概要とともにお届けする。

●パサートより一回り大きい

 アルテオンのボディーサイズは全長4865×全幅1875×全高1435mmと、VWの上級セダン「パサート」よりも一回り大きい。しかしパサートよりもスペシャルティカーの要素が強く、スポーツカーを意識したクーペのようなデザインも特徴的で、流麗でアグレッシブな印象だ。

シートヒーターや運転席マッサージ機能も! ラゲッジも十分

 インテリアは黒を基調にアルミやピアノブラックのパネルを配してクールで上質感がある。ホールド性を高めたシートの表皮にはナパレザーを使用し、運転席と助手席にシートヒーターが付く(「R-Line 4MOTION Advanceでは後席左右にも)。さらに、運転席にはマッサージ機能も備わっており、全体として快適性が重視されている。

 またカーナビ付きの純正インフォテイメントシステム「Discover Pro」、LEDヘッドライトおよびLEDテールランプなど、さまざまな装備が標準で用意されている。

 ホイールベースはパサートより45mm長い2835mmで、後席スペースが広く感じられる。ラゲッジスペースも563L~最大1557Lで、しかもバンパーの上まで伸びる大きなリアゲートにより、見た目以上に荷物の積載性にも優れるのも特徴だ。

 パワートレインは1タイプのみで、280ps/350Nmを発揮する2.0L直列4気筒ターボエンジンを搭載。トランスミッションには、デュアルクラッチ式の7速DSGを組み合わせる。駆動方式は4WDだ。

●渋滞追従支援機能なども標準装備

 先進安全運転機能は、全車速追従機能付きアダプティブクルーズコントロール、渋滞時に自動運転レベル2のアシストを可能とした渋滞時追従支援機能「Traffic Assist」、前進および後退時衝突被害軽減ブレーキ付き駐車支援機能「パークディスタンスコントロール」などを搭載しており充実している。

 グレードは19インチホイール仕様のR-Line 4MOTIONと、20インチホイール、フル液晶デジタルメーターパネル、ヘッドアップディスプレイ、アラウンドビューカメラなどが追加される「R-Line 4MOTION Advance」の2つ。

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手ごろで本格派 20万円以下アルミロードバイク4選(日経トレンディネット)

 スポーツタイプの自転車(スポーツサイクル)にはさまざまなカテゴリーが存在するが、日本においてはロードバイクの人気が高い。都市部の交通事情はさておき、地方までくまなく道路が舗装され、主要な道路沿いにはコンビニや道の駅、自動販売機といった補給スポットも充実。おまけに起伏が豊かで自然に恵まれた日本は、ロードバイクを楽しみやすい環境が整っている。

【関連画像】ジャイアント「TCR SLR2」(17万5000円)

 またハードウエアの面でもロードバイクは以前に比べて格段に買いやすくなった。かつてロードバイクは限られた上級サイクリスト向けに設定されていたが、一般ユーザーにも浸透し始めた2000年代中ごろからフレームのジオメトリー(各部の寸法のこと。乗車姿勢や走行特性に大きな影響を与える)やギア比などを初心者でも扱いやすい設定にしたモデルが増えてきて、選択肢は大きく広がった。

 そして2018年、ロードバイクの入門用として特におすすめしたいのが、13万~20万円の本格派アルミロードだ。

【手ごろで本格派 20万円以下アルミロードバイク4選】

■車体重量7.9kgの超軽量アルミフレーム&フォーク

■絶対的な速さより持久性能を求めたモデル

■チタン配合で強度の高いアルミ素材を採用

■全22色からフレームカラーを選べる

●廉価版カーボンロードをしのぐアルミロードバイクが定着

 ロードバイクのフレームにはカーボンやクロモリ(鉄鋼)、チタン、アルミなどが用いられる。現在、プロの自転車レースで使用されるハイパフォーマンスモデルはほぼすべてがカーボンフレーム(カーボンロード)だが、これはほかの素材より軽量に作ることができ振動吸収(収束)性に優れ、設計自由度も高いから。一方、アルミはクロモリと並んで低価格なモデルに多く採用される素材だが、近年は廉価グレードのカーボンロードをしのぐ性能を誇る、本格派アルミロードが1つのカテゴリーとして確立されつつある。キャノンデール「CAAD12」シリーズを筆頭に、ジャイアント「TCR SLR」シリーズ、スペシャライズド「ALLEZ SPRINT」シリーズなどがそれだ。

●加工技術の進化で走行性能と乗り心地が向上

 従来のアルミフレームは走行性能を重視してフレームの剛性を高めると、どうしても乗り心地が硬くなってしまうのが欠点だった。ロードバイクは1日で100kmを超えるような長距離をより速く走るための自転車であるため、乗り心地の悪化はそのパフォーマンを損なう要素だ。ところが近年はアルミフレームの加工技術が進み、部位ごとに形状やパイプの厚みを変化させることで走行性能と乗り心地を高いレベルで両立できるようになった。

 こうした本格派のアルミロードは、カーボンロードに比べてリーズナブルな価格でありながら、しっかりとした走行性能を備えているのが大きな強みだ。またカーボンフレームに比べて気を使わずに扱えるのも美点。カーボン素材は一点に強い衝撃が加わると破損しやすい特性があるため、保管や整備の際には少々気遣いが必要なのだ。

「ソニーのスマートスピーカー」は何がいい? 自腹レビュー(日経トレンディネット)

 最近、注目を集めているスマートスピーカー。「Google Home」や「Amazon Echo」、「Clova WAVE」などが登場するなか、ソニーからも「LF-S50G」(2万4880円)が2017年12月9日に発売された。

【関連画像】筆者はLF-S50Gを、自室のベッド横の窓際に置いて利用している

 筆者は以前から「声で操作できること」にはそれほど魅力を感じていない。スマホのGoogleアシスタントも使わず、機能そのものを切っているほどだ。そのため、スマートスピーカー自体にはそれほど興味はなかったのだが、機能面で気になっていることがひとつあった。

 それは「ラジオや音楽ストリーミングサービスを単体で楽しめる」ということ。日常的にラジオや音楽は聴いているので、自宅で楽しむ際にパソコンよりも利便性が高ければ「スマートスピーカーを活用するのもありかな」と思っていたわけだ。

 そんななか登場したのがソニーのLF-S50G。ソニー好きだし、何といってもスピーカー性能が高いということなので、せっかくだからと発売日に自腹購入した。では、LF-S50Gがどんなスマートスピーカーなのか、その使い勝手などをチェックしてみた。

●「ソニーらしさ」はどこにある?

 LF-S50Gは、声で操作する機能を司る音声アシスタントに「Googleアシスタント」を採用。これはAndroidスマホやGoogleのスマートスピーカー「Google Home」などで利用されているものと共通となる。そのため、Googleアシスタントを利用した機能については、Google Homeとほぼ変わりがない。

 Google Homeとの違いとしては、ソニーらしく音質面に力を入れている点が挙げられる。上向きのフルレンジスピーカーと下向きのサブウーファーを搭載した「対向配置2ウェイスピーカーシステム」などを採用。部屋のどこにいても良い音質で音楽を楽しめるという360度サウンドを実現している。

 また、本体に触れなくても曲や音量を操作したり、音声アシスタントを起動したりできる「ジェスチャーコントロール」もLF-S50Gの独自機能のひとつ。さらに、水しぶきが飛ぶ可能性のあるキッチンでも利用できるJIS IPX3相当の防滴仕様になっている。

 ボディデザインは、ジェスチャーでの操作に対応することもあってかボタンを極力見せない設計となっており、全体的にシンプルですっきりとした印象だ。また、前面に時刻を表示してくれるのもLF-S50Gの特徴で、筆者が気に入ったポイントのひとつ。これもGoogle Homeにはない機能となり、個人的には据え置き時計の代わりとして気軽に時間を確認できるのはかなり助かっている。

α9より魅力的!? ソニー「RX10M4」のすごさ【前編】(日経トレンディネット)

 正直、うなだれながらニヤニヤですわ。ホレ見たことか!というか、してやったりというか、してヤラれたというか。いずれも、我が身に向けての「自己完結感情」に過ぎないというのが、一人遊びが上手なワタシらしくて我ながらキモい(笑)のだけど、ナンのことかといえば、ゴレンジャー化を果たしたRX100シリーズについて語っている過去記事「圧倒的な高画質に衝撃、オチアイ的『RX100』の選び方」で述べていたことそのまんまの展開に、ニヤニヤしながら肩を落としているというワケなのです。

【関連画像】顔基準ではわずかな被写体ブレが確認できるがピントは追従。こりゃホンモノですわ。ISO1250

 ニヤニヤはいいとして、なぜに嘆く必要があるのか? RX10、RX10M2、RX10M3と、RX10シリーズをすべて買ってきている過去に「ソニーにまんまとハメられている」との思いが払拭できないからだ。新しくなるたびに確実に「良くなっている」ところが悔しくて憎らしくて、でもだから欲しくなってしまうという、なんかもう物欲の範疇ではなく精神的に籠絡されている感が拭い去れない状況に追い込まれているんである。

 とかナンとかいいながら、ジツはRX10M4、「出てすぐ」には買っていない。幸か不幸か、しばらく使う機会がなかったのだ。なので、その「変わりよう」を実感することができなかった。殊勝にソニーのサイトで画像の確認をしながら「RX10M3とはちょっと絵の感じが変わったような気がしないでもないけど、実際に手を出すのは、やっぱりいちど使ってみてからだよなぁ」なんてことをブツブツ言いながら“待ち”を決め込むこと2カ月弱。後先考えぬ衝動買いだけが取り柄であるハズの私がそこまで落ち着いていられたのは、RX10M2を購入して1年たたぬうちにRX10M3が登場したときの、あのショックを忘れていなかったからでもある。まぁ、アレとは事情は異なるのだけど。

 そして、いよいよ今回。なんと、この記事を書くためにRX10M4を借用する機会に恵まれてしまった! 正直に言おう。使い始めて3分で私はRX10M4の購入を決意した。そして、続きの撮影は後回しにして、急ぎ自宅に戻り身辺整理(下取りに出す機材の選定と磨き上げ)に取りかかったのである。一刻も早く「自分のRX10M4」を手に入れるために。

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ついに嫌われる勇気を持った国産高級車、レクサスLS(日経トレンディネット)

 2017年10月に発売されたレクサス「LS」。1カ月での受注台数は約9500台と好調だというが、はたしてどんなクルマなのか。驚くほど変わったこのフラグシップセダンの詳細を小沢コージがお届けする。

【関連画像】フロントグリルはレクサス特有のスピンドル形状

●【コンセプト】ええ? サングラスが天井につかえちゃう!

 「僕の前に道はない 僕の後ろに道は出来る」

 正直ビックリしました。新型レクサス「LS」。そして冒頭の詩を思い出しました。高村光太郎の『道程』。自分の人生を自分の力で切り拓いていこうという心情を歌ったものですが、もしや今のLSであり、レクサスブランドの心境にピッタリではないのかと。そう、国内でも先日発売されたばかりの日本を代表する高級セダンの5代目のことです。

 新型の何にビックリしたかって今までにないとんがったスタイルと、そこから導かれる室内のタイトさ、なによりほかの何にも似ていないことを自ら課したことでしょう。

 実は小沢が新型に初めて乗ったのは年末に行われた世界カー・オブ・ザ・イヤーのロサンゼルス試乗会にて。乗るなりビックリしました。だって頭のサングラスが天井につかえちゃうんですから。

 小沢は長年頭を丸坊主にしていたこともあり、サングラスをつい頭にのせるクセが付いてますが、天井高めの高級セダンはもちろん、天井低めのスポーツカーでも上にくっついたことはほぼありません。

●もしや“居るもの”から“着るモノ”へと変貌?

 ところが新型LSは乗るなりグラスフレームが頭上へガツーン! 直前に背の低い日本人が運転席に座っていたことからシート座面が上がっていたようですが、それにしてもビックリ。新型LSの天井がこんなに低くなっていたなんて。シート形状にしろスポーツカーのように身体に結構フィットします。

 そして小沢は思いました。LSはもしや「居るものから着るモノ」に変わったんじゃないかと。ズバリ、既存の高級車の価値観であり、常識を捨てにきたのではないかと。

 だから頭に浮かんできたんです。高村光太郎の「道程」が。僕の前に道はない、というサムライ的な覚悟を決めたのではないかと。

 というわけで小沢コージ的インプレッションをお送りいたします。

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お金や健康を管理するアプリがAIで劇的変化(日経トレンディネット)

 AI(人工知能)は急激に身近なものになっている。マネー管理、英会話、カロリーコントロール……。スキルや習慣を身に付けないとできない分野では、スマートフォン(スマホ)のAIアプリが強い味方になる。それぞれの分野で、AI搭載をうたうアプリは多数出ているが、なかでも特にAIが果たす役割が進化しているものを使ってみた。

●外貨の値動きを予測

じぶん銀行 AI外貨予測(じぶん銀行)

 マネー管理では、外貨や株価の予想にAIが活躍する。じぶん銀行は、投資アルゴリズムを開発するアルパカジャパンと提携し、「AI外貨予測」を共同開発。AIが過去の為替チャートを分析して1時間以内、1営業日以内、5営業日以内の値動きを、3種類のアイコンで予測を立てる。今後はディープラーニングを活用してより高度な予測が可能になり、それを基にした自動積み立てなどの進化が期待できる。

●日経平均株価の周期変動を予想

Phantom AI 週間株価予報(財産ネット)

 株価予想で注目されるのが、「Phantom AI 週間株価予報」だ。独自開発したPhantom株価予報AIエンジンが過去の株価チャートなどを機械学習して、1週間の値動きを予想。「過去1年間、225銘柄をテストして検証した結果、80%以上の確率で株価レンジを予測できた」(財産ネット代表・荻野調氏)。日経平均の他、個別銘柄にも対応。また同社は、マイクロソフトAzureと連係したAIチャットボット「Phantomエージェント」を7月から開始。自然言語からユーザーの意図を抽出し、チャットで株価などの情報を引き出せる。

●支出の品目を自動で仕分け

マネーツリー(マネーツリー)

 家計簿アプリの「マネーツリー」(マネーツリー)は、独自開発した機械学習のAIを支出の自動仕分けに使う。カードなどで買い物をした店舗名や金額をAIが自動判別し、何も手を加えなくても品目ごとに分けた家計簿が完成する。「品目が間違っていたらユーザーが訂正することで、AIの学習がさらに進む仕組み。サービス開始からデータが蓄積し、95%の精度に達した」(マネーツリーの山口賢造氏)。

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オンキヨー「身に着けるスマートスピーカー」開発の狙いとは? 開発者にずばり聞いてみた(日経トレンディネット)

 グーグルの「Googleアシスタント」、アマゾンの「Alexa」それぞれに対応した製品をいち早く出すなど、スマートスピーカーに積極的な姿勢を見せるオンキヨー&パイオニア。今度は、音声アシスタントを搭載するウエアラブルタイプのスマートスピーカーを開発している。2018年1月9~12日まで開催されたIT・家電の総合展示会「CES 2018」の会場に試作機「VC-NX01」を展示した。

【関連画像】本体を装着してみた。音声も正確に拾い上げてくれる

 展示品は、イベント期間に得たフィードバックを本番の製品開発に生かすためのいわば“たたき台”であり、デザインや機能は今後がらりと変わる可能性もある。今回は本機の開発を担当するオンキヨーの宮崎武雄氏、八木真人氏に、「ウエアラブルタイプのスマートスピーカー」を誰に、どんな形で届けようとしているのか、コンセプトを深く掘り下げながら聞いてみた。

●わずか100g、アウトドアユースも視野に

 写真で分かる通り、VC-NX01のデザインは、今、流行のネックバンドタイプのワイヤレスイヤホンのようだ。筆者が装着した写真から大きさをイメージできるだろうか。質量は約100g。身に着けてしまうとスピーカーを肩に背負っている感覚もないぐらいに軽い。「長時間身に着けていても負担に感じないサイズ感」(八木氏)を重視したという。据え置きタイプのスマートスピーカーと同じように、音楽を聴いたり、天気予報やニュースなどの情報を音声で検索、確認するといった用途を想定しているが、ウエアラブルにしたことでアウトドアユースも視野も入れているという。

 イヤホン/ヘッドホンではなく、スピーカーにこだわった理由については、「屋内・屋外、どちらのシーンで使う場合も周囲の音が聞けるようにしたかった」からだと八木氏は説明している。本体を肩にかけると内蔵するセンサーが検知し、以降は音声を拾うためのマイクが常時オンになる。

 今回の試作機は、モバイルネットワークに直接つなぐ機能は搭載していない。Bluetoothでペアリングしたスマートフォンの通信機能を使う仕立てだ。「屋外メインで使うなら、SIMを装着してスタンドアロンで通信できたほうが良いし、屋内がメインになるならWi-Fiや防水・防滴機能も必要。ただ、それぞれにバッテリーの容量と本体のサイズ、そして製造コストに影響を与えることなので、出展の反響などを見ながら考えたい」と宮崎氏がコメントしている。

 スピーカーとしての音質に加えて、音声に対する反応・集音の精度もオンキヨーがオーディオメーカーとしてこだわっているポイントだ。もし体に着けて、屋外でも使うことが増えるようであれば、マイクの指向性についてもさらに作り込んでいくという。

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“イチゴまみれパフェ”投入の裏にあるデニーズの課題(日経トレンディネット)

「若い世代をつかみ切れていない」

 デニーズは約20年前からイチゴや白桃、マンゴーなど旬の果物を使ったデザートフェアを展開している。なかでもイチゴを使ったフェアが人気だったが、2017年夏に展開した白桃のフェアが初めてイチゴの売り上げを抜いたという。その理由を「1品に白桃を2分の1個使ったデザートなど、果実の量が多いことが好評だったのではないか」と同社は分析。今回のフェアでも生のイチゴの使用量を多くするなどして、果実のフレッシュさが感じられるようにメニューを開発したという。

 だが、「最も売れるのはミニパルフェだろう」と荒巻部長は見込んでいる。今回のフェアに限らず、手ごろな価格で食後にちょうどいいボリュームのミニパルフェは、数あるデザートの中でも一、二を争う人気商品だという。それでも約3倍の価格のザ・サンデーをラインアップしたのは、デニーズの客層に関する課題からだ。

 同社によると、デニーズを訪れる客の7割が女性。さらに30~50代が中心で、「高校生など、若い世代をつかみ切れていない」(荒巻部長)。そこで、ザ・サンデーのようにSNSで話題になりそうな商品を提供するのも必要と考えたのだろう。若い世代を意識した施策として、イチゴのデザートを撮影してインスタグラムやツイッターに投稿すると抽選で食事券がもらえるというキャンペーンも行う。

 荒巻部長は「デニーズは日本ではまだ珍しかったパパイアやマンゴーをいち早くメニューに取り入れるなど、生の果物のおいしく提供することには自信がある」と話す。だが、ここ数年は旬の果物を使ったロイヤルホストのパフェが話題になるなど、「ファミレスのパフェといえばロイヤルホスト」という認識が特に若い世代を中心に広がりつつある。今回の若者向け施策で反転攻勢をかけられるか。

(文/樋口可奈子)

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ジェラピケ生んだマッシュ社長が語るブランドの作り方(日経トレンディネット)

 本連載は、「この人の『勘』や『感』の見方を知りたい!」と思った方にお会いし、仕事に「勘」や「感」は必要なのか。そして、どのように磨けばいいのかについて、成功談も失敗談も含めて聞いていくものです。それも、難しい書き言葉ではなく、分かりやすい話し言葉で。読者の皆さんにとって、未来に向けたヒントになれば幸いです。

【関連画像】マッシュホールディングスの近藤広幸(こんどう ひろゆき)社長は1975年茨城県生まれ。1999年、CG制作を目的としてマッシュスタイルラボを設立、2005年ファッション事業に参入し、「スナイデル(snidel)」「ジェラート ピケ(gelato pique)」が人気ブランドに。2013年に持ち株会社としてマッシュホールディングスを設立、多岐にわたる事業展開を行う

 今回は前回(「ヒットブランド連発 マッシュ社長が大事にする『瞑想』」)に引き続き、マッシュホールディングス社長の近藤広幸さんです。前回は時間の使い方をクリエーティブにするために、あえて隙間のないスケジュールを組むこと、自分のスケジュールを自分で決めないこと、クリエーティブな会議の進め方などについて、伺いました。今回は「ジェラート ピケ(gelato pique)」「フレイ アイディー(FRAY I.D)」をはじめとする、マッシュホールディングスのヒットブランドの作り方、そもそもの企画書の作り方について、聞いてみたいと思います。

●ブランド作りは「人とストーリーを具体的に想像する」ことから

川島: マッシュホールディングスはロングセラーになっているブランドを数多く持っていますが、ブランドはどのように発想しているんですか。

近藤: 人とストーリーを具体的に想像することを、常日ごろからやっています。読んだ小説の登場人物や自分の身近にいる人などをモデルにして、こういう人がこういうふうに過ごし、こういう気持ちだったと、シーンを思い浮かべながら、具体的な会話やト書きも入れ、脚本みたいに組み立てていくのです。

川島: それってすごく面白い手法です。何か事例を教えてもらえますか。

近藤: 例えば、ヨガをやっている女性について考える場合、「ヨガ教室に通っているけど、ヨガそのものより終わったあとに仲間とお茶するのが楽しい」「帰りにショッピングするので、ヨガウエアでオシャレ着にできるものがあるといい」といった具合です。

川島: 本音の部分の気持ちが入っていて、リアリティーがあるし、具体的なシーンが浮かぶのも面白いです。でも普通、ブランドを立ち上げるときって、まずはコンセプトを練って、競合ブランドをマッピングして差別化を図り、ターゲットを決め、潜在人口がこれくらいいるみたいなことをまとめるじゃないですか。

近藤: そこも大事ですが、僕はこういった最初の発想を最も大事だと考えています。そしてうちの企画書はほぼ全部、僕が作っているのです。