消費電流98%減で実装面積も6割削減、TIの車載マルチスイッチ検出インタフェース – @IT MONOist



TIのハインツ・ピーター・ベッケンマイヤー氏

 Texas Instruments(TI)は2017年10月19日、東京都内で車載システム向けのソリューションに関する説明会を開いた。TIにとって車載事業は収益の18%を占める重要な分野で、研究開発投資も全体の22%を車載分野に振り向けている。また、2016年の車載向けの新製品数は2014年比で2倍に増えた。

 会見にはTI オートモーティブシステムズ ディレクタのHeinz-Peter Beckemeyer(ハインツ・ピーター・ベッケンマイヤー)氏が登壇。先進運転支援システム(ADAS)、ボディーエレクトロニクス、インフォテインメント、パワートレインの電動化の4分野で、開発期間短縮に貢献するための事例を紹介した。

 ボディーエレクトロニクス向けには、デバイス単独で最大54個のスイッチやセンサーからの入力を監視するマルチスイッチ検出インタフェースを投入すると同日付で発表した。従来のディスクリート構成の製品と比較して、消費電流を最大98%低減してμAレベルを達成するとともに、基板実装面積を6割削減する。要求される機能に対応しながらマルチプレクサーやオペアンプ、ADコンバーターなどの外付け部品を集積して1チップ化したことで、周辺部品の点数を大幅に減らした。


マルチスイッチ検出インタフェース「TIC12400」(クリックして拡大)

 ADAS向けには、全周囲表示システムや電子ミラー、ドライバーモニタリングといったカメラを使う機能や、障害物を検知するレーダー技術、センサーフュージョンなど向けに複数のソリューションをそろえる。機能安全要件への適合を支援する設計パッケージ「SafeTI」も提供する。

 ベッケンマイヤー氏は「車載向けのレファレンスデザインを100種類以上用意していることが強み」とし、ADAS向けにも複数のプラットフォームに展開可能なレファレンスデザインも展開する。

 カメラを多用するADAS向けには、1.3メガピクセルのカメラを最大4台接続できるハブの設計が可能なレファレンスデザインを提案する。4つのカメラからの入力を2組のパラレルビデオポートにまとめてシステムを簡素化することもできる。

 この他にも、LED化が進むヘッドランプ、テールランプ向けには、高精度な減光機能をマイコンなしで実現するLEDドライバICのレファレンスデザインを提供している。インフォテインメントシステムでは、ヘッドユニットのUSB Type-Cへの移行や、オーディオの音質向上を支援する。また、電源電圧が48Vのマイルドハイブリッドシステムへは、DC-DCコンバーターの開発プラットフォームを提供する。


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満漢全席的贅沢スパイ映画「アトミック・ブロンド」諜報員の悲哀とセロン様の暴力(燃えるわー) – エキサイトニュース

シャーリーズ・セロン版『ジョン・ウィック』かと思いきや、諜報員たちの悲哀を描いた真っ当なスパイ映画。にも関わらず圧倒的に迫力のあるセロン様も堪能できるという、やたら贅沢な一本が『アトミック・ブロンド』だ。

1989年のベルリンで展開する、冷戦最後の大運動会

映画の冒頭、いきなり流れるのはニュー・オーダーの『Blue Monday』のイントロ。無機質だけどなんとなくレトロなリズムをバックに、着の身着のままの男が逃げるが、後ろから車に轢かれてしまう。車から降りた男は逃げていた男を射殺し、腕時計を奪う。自殺した自分たちのバンドのメンバーを悼む歌である『Blue Monday』をBGMにして暗殺が描かれるという、キレのあるオープニングだ。

『アトミック・ブロンド』はこの奪われた腕時計とその中に隠されたマイクロフィルムを奪い返すため、イギリスの対外諜報機関MI6に所属する敏腕の女スパイ、ロレーン・ブロートンが送り込まれるというストーリーである。

映画が始まった時点で、ロレーンの任務は終了している。初めて画面に映ったロレーンの体はすでに全身ズタボロで痣だらけ。ボロボロの体をバスタブに張った氷水で冷やし、モノトーンの服装で固めたロレーンが向かうのはMI6の会議室だ。巨大なテープレコーダーとビデオカメラ、マジックミラーに囲まれたこの密室で、ロレーンはMI6の上司とアメリカから出向してきたCIAの幹部に向かって状況報告をする。

そこでロレーンが語るのは作戦の顛末だ。舞台は1989年秋、東西を隔てる巨大な壁が崩壊する寸前のベルリン。政治状況が激しく変動する中で、現地で独自に情報ネットワークを築いていたイギリス諜報員パーシヴァルと協力し、ロレーンは行方不明になったマイクロフィルムを捜索する。フィルムの中身は東側で活動する西側の諜報員たちの詳細が書かれたリスト。連日のデモで大混乱に陥るベルリンに、このリストを求めて各国のスパイたちが集まってくる。

とにかく、「1989年秋のベルリンを舞台にしたスパイもの」という時点でほぼ勝利が確定した映画である。スパイたちがその本領を発揮しフルパワーで活躍することのできた時代が終わりかけている状況で、その中心の都市で展開される熾烈な諜報戦。祭りが終わっていく気配の中で、それでも体を張って戦い続け、散っていくスパイたち。これが燃えずにいられましょうか。

ルールの変化に対応できず、時代に取り残され、それでもなお戦い続けなければならない者たちの悲哀。

絶海の孤島で6人死亡しビデオテープだけが残った…最後の一行まで読み飛ばせない『T島事件』 – ダ・ヴィンチニュース

『T島事件 絶海の孤島でなぜ六人は死亡したのか』(詠坂雄二/光文社)

 推理小説とは作者と読者の知恵比べだといわれる。解決篇を待たずして真相に辿り着けば、読者は作者に勝ったといえるだろう。そのために読者はページの隅々にまで目をこらし、矛盾や不審点を探し出そうとする。優れた推理小説ほど、読者が気づかなかった違和感をつなぎ合わせて、鮮やかに事件を解決する探偵が神がかって見えるはずだ。しかし、こういう考え方もできる。「推理小説とは作者の描き方次第で、何の変哲もない事件さえもドラマティックに見せられる」と。

『T島事件 絶海の孤島でなぜ六人は死亡したのか』(詠坂雄二/光文社)は推理小説の構造そのものに新たな視点を投げかける問題作だ。「事件性が認められない」事件に対し、探偵はどのような真相に辿り着くのか、そして、本作が本当に提示している謎は何だったのか、読者は最後まで釘付けになるだろう。

 悲劇は2005年、フェイクドキュメンタリー映画の撮影で、無人島に渡った6人のスタッフに降りかかった。警察は事件性なしと判断し、捜査はすぐに打ち切られる。死亡現場に不審点がなかったこともあるが、何よりも6人の行動の一部始終がカメラに収められていたからだ。かくして、不幸な出来事は「事件」となる前に、人々の記憶から忘れ去られようとしていた。

 しかし、映画のプロデューサー・瓶子は納得せず、探偵社「月島企画」に映像の真偽を調べてほしいと依頼する。彼は残された映像を作品としてまとめ、世に発表したいと考えていた。世間の目にさらす以上、映像が信用に足るものかどうかの確認は必須だった。そこで、名探偵としての評価を確立していた月島凪の意見が求められたのだ。

 別事件の調査に夢中な凪にかわって、雇われ助手の青年、荻田が膨大なビデオテープを再生していく。映像の中には死の瞬間も捉えられており、何者かが後から加工した痕跡もない。映像に映った死体も間違いなく本物だ。これだけの条件がそろっているにもかかわらず、電話で報告を受けた凪は、意外な真犯人の名前を口にする―。

 絶海の孤島で人が次々に死んでいく設定は、アガサ・クリスティーの名作『そして誰もいなくなった』を思わせる。恐怖とスリルにゾクゾクするような展開を、読者は期待せずにいられない。しかし、物語が進むにつれ肩透かしを覚える人は少なくないだろう。確かに、6人もの人間が死んでしまうのはおぞましいが、推理小説の中では特に異様な描写でもない。荻田たちが懸命に続ける捜査や仮説も、読者の想像を超えてはこない。

 満を持して登場した凪に読者は期待をかける。一体どれほど意外な真実を言い当ててくれるのかと。しかし、解決篇は決して稚拙ではないものの、凡庸の域を出ないだろう。目の肥えた推理小説ファンが読んでも満足しないのではないだろうか。

 ただし、それで本作を「平均的な推理小説」と品定めするのは早い。なぜなら、真の結末は解決篇の先にこそ待ち構えているからだ。最後の一行で判明する全ての答えは、推理小説というジャンルそのものを揺るがすほどのインパクトを残すだろう。そして、本作に対する印象が180度豹変するはずだ。

 推理小説に親しんだ読者ほど、作者は「騙まし討ち」をしかけてくると思い込んでいる。事実、多くの推理小説では、巧みな表現で手がかりから読者の注意をそらし、読者から情報を遠ざけようとしている。時制や語り手をミスリードさせる「叙述トリック」などは、作者と読者の攻防から生み出された手法といえるだろう。しかし、本作は、極端にストレートな書き方がなされた、「フェアな」推理小説として名前を残すに違いない。「疑う」以外の読み方を提案した記念碑的作品である。

文=石塚就一

阪神大震災 被災者の声 後世に 22年9カ月 22人証言を記録 – iza(イザ!)

 平成7年の阪神大震災の教訓を後世に残そうと、2年前から被災者の聞き取りを行ってきたNPO法人「よろず相談室」(神戸市東灘区)理事長、牧秀一さん(67)が、22人分の証言記録を撮り終えた。ビデオカメラをまわすきっかけは、広島市の原爆資料館で見た被爆者の証言ビデオ。被爆の恐ろしさを伝える人々の表情が見て取れる映像に、「被災者の声も同じように残せないか」と思い立った。40時間以上に及ぶ映像は今後、1年かけて編集するつもりだ。

                   ◇

 「目覚めたら、ベッドごと道路にほうり出されてた。子供はがれきに埋まってて。悲惨やったわね」

 8月上旬、神戸市中央区の東部新都心「HAT神戸」の復興住宅で、介護ヘルパーの早川一枝さん(75)がビデオカメラの前で、22年前の震災を振り返っていた。その傍らで、牧さんはメモをとりながら、当時の状況を詳しく聞いていく。

 早川さんは震災で、姉と義兄、義姉の3人を亡くした。リフォームして間もない自宅は全壊。がれきに埋もれた一人娘を助け出し、着の身着のまま、近くの中学校へ避難した。避難所に併設された遺体安置所で多くの遺体を目にし、「ショックからか、人の死を客観的に見るようになった」と語った。聞き取りは約2時間に及んだ。

マウスコンピューター、セミナー/イベント向けに高性能ノートPC貸出サービスを開始 – PANORA


マウスコンピューターは、セミナーやイベント向けに、クリエイター向けPC「DAIV」ブランドの高性能ノートPCの貸出サービスを実施すると発表し、受付を開始した。プロカメラマンやクリエイターが開催するセミナーやイベントなどに参加しやすくなり、「RAW現像」や「動画加工/編集」をはじめとするデジタル加工がより身近に感じられるようになる。

 
昨今、デジタル機器の「高性能化」が進み、各種デジタルカメラやビデオカメラ機器において、誰でも手軽に高品質な撮影を行うことが可能となっている。これに伴い、高画素で生成されるデジタルデータをさらに魅力的な作品として仕上げるための「RAW現像、画像編集/加工講座」などの高度な「ワークショップ」や「セミナー」の需要が高まってきている。本サービスは、このようなイベントで使用できる高性能PCの貸し出し需要に応えるものだ。クリエイターPC「DAIV」で、高性能PCがもたらす「快適な編集環境」や「パフォーマンス」を実感してもらい、デジタル編集マーケットにおける需要喚起を図っていくことを目的としている。

 
本サービスにて貸し出しを行う「DAIV-NG5720シリーズ」は、高性能CPUと、高性能グラフィックス「GeForce GTX 1060」を搭載。最新のデジタル一眼レフカメラなどで撮影・生成される高画素なRAWデータの現像、高解像度動画データのエンコード、VRコンテンツの稼働など、CPU/GPU処理能力を必要とするシーンで有効なパフォーマンスを持ち合わせるほかに、発色性に優れた液晶パネルを搭載した15.6型のハイパフォーマンスノートPCだ。

 
本サービスはマウスコンピューターのウェブサイトにて受付・申し込みを開始する。

 
●サービス概要
・在庫台数:30台
 - 利用は申し込み順の受付。
 - 希望スケジュールによって貸し出しができない場合あり。
・貸出機器:ノートPC本体(DAIV-NG5720シリーズ) / ACアダプタ / 電源コード / 外付けUSBマウス
・利用方法:
 - 貸出希望者(複数名いる場合は代表者)より必要事項を確認。
 - 専用ウェブページから申し込み(24時間申込可能)。
 - 返答(マウスコンピューター窓口営業時間) → 貸出 → 利用 → 返却
・利用対象者︓個人/法人 問わず
・貸出期間︓最長2週間

 
●関連リンク
DAIV 貸出サービス 申し込みページ
DAIV-NG5720シリーズ 製品ページ


Adobeが360度動画の音声を可視化する編集ツールを開発 – VR Inside

音楽のミキサー

AdobeがVR映像の音声編集ツールを開発

VRデバイスの用途として、非ゲーマーが期待するのがVR映画の視聴だ。通常の映画と異なり、視聴者が自分の意思で見る方向を決めることのできるVR映画には、独特の魅力がある。

ただ、この新しい表現形態で作品を制作するための環境は整っていない。ノウハウが蓄積されていないので整備されたマニュアルが不足しており、定番と言える編集ツールも存在しない。従来の映画で使われていたテクニックの中にはVR映画で上手く機能しないものもあるため、プロの映画監督も試行錯誤を重ねているところだ。

Adobeは現在、VR映像の音声編集に利用できるツールの開発に取り組んでいる。Varietyが伝えたところによれば、VR映像に使用される立体音響の把握と編集を容易にしてくれるツールのようだ。

Adobe SonicScapeプロジェクト

Adobeが木曜日にラスベガスで開催するカンファレンス「Adobe Max」で発表するのがSonicScapeプロジェクトだ。彼らがこのプロジェクトで発見した360度映像の音声を可視化する新しい方法により、VR映画の編集が容易になるかもしれない。

映画撮影に使われるカチンコ

カチンコという名前に聞き覚えがなくても、映画撮影の現場で撮影を始めるときに鳴らされる道具は見たことがあるのではないだろうか。ハリウッドやユニバーサルスタジオでは、土産物のデザインにもよく採用されている。

あのカチンコは、ボード部分にシーンナンバーやテイクナンバーを入れることで映像の編集を容易にすると同時に、編集時に映像と音声を同期させるための基準でもある。

映像と音声を別の機材で記録する場合、動作と音がずれないように編集者が揃える必要がある。そのときの基準となるのがあの音なのだ。最近では家庭用のビデオカメラのように映像と音声をまとめて記録できる機材を使うことも多いようだが、映画に音声が付いた頃から使われている伝統の道具である。

VRにおけるカチンコ

映像と音声のタイミング(時間的関係)がずれるのを防ぐために使われるのがカチンコなら、SonicScapeは音声が聞こえてくる方向(空間的関係)がずれるのを防ぐためのツールと言える。

2D映画では時間的関係を揃えるだけだったが、360度の映像と立体音響が組み合わされたVR映画ではユーザが見ている方向によって音が聞こえてくる方向も変化させる必要がある。あらゆる方向から来る音を記録しているので、音と映像の方向を揃えなければならないのだ。

このツールを使えば、編集者は音がどの方向から来ているのかを画面上で確認することができる。音の高さや大きさと合わせて方向を目で見て確認できるので、編集が容易になるシステムだ。

VR映像における音声

Oculus Rift

映像だけでなく音声も没入感を左右する

VRヘッドセットのスペックとして注目されがちなのは解像度やリフレッシュレートといった視覚情報に関わる部分だが、音声もVR映像の没入感に大きく影響する要素だ。音源の方向や距離が聞き分けられるようなコンテンツであれば、自分がその場に居る感覚が強くなる。

立体音響を作成する

VRへの没入感を高めるリアルな音を作るためのツールも複数の企業で開発されている。

VR Awards 2017でInnovative VR Company of the Yearを受賞したG’Audio Labの「Works」もその一つだ。主に360度動画で使用されているシーンベース方式の立体音響を構築することが可能なソフトウェアである。この方式はVR空間に配置された各オブジェクトに音を配置するわけではないので臨場感で劣る面もあるが、録音・編集のしやすさなどのメリットがある。

音をリアルに録音する

あるいは、録音の仕方そのものを変えることを考えている企業もある。専用ソフトウェアを使って立体音響を作成するには時間的・金銭的コストがかかるが、マイクを変えるだけならば低予算のプロジェクトでも利用できるかもしれない。

Lifelike ScenesHooke Audioの3D録音に対応したイヤホンがそのためのデバイスだ。録音者が自分の耳にイヤホンをはめる(またはマネキンヘッドやスタンドを使う)ことで、「人間の耳に聞こえてくる感覚」を持った音を記録できるという。

こうしたバイノーラル録音が可能なマイクによって作られた音声やその音声を使った動画は、普通のイヤホンやヘッドホンで聞くだけでもリアルに聞こえるのが特徴だ。耳元や頭の近くから音が聞こえてくる感覚を再現できる。

iPhone専用ながら、国内では上海問屋が同様のイヤホンを販売している。

立体音響のコストを下げるソフトウェア

Adobeは、SonicScapeによって360度映像に立体音響を組み込みやすくすることを目指しているようだ。編集が容易になれば、ファイル管理のためにプロジェクトの予算が浪費されるのも防ぐことができる。

SonicScapeはまだプロトタイプの段階であり、Adobe製品の一部として提供されているわけではない。しかし、この機能が提供されるようになれば専門の映画会社が手がける本格的なVR映画でなくてもリアルな立体音響を利用できるようになるだろう。YouTubeなどのサイトにも、そうした質の高い動画が増えるかもしれない。

参照元サイト:Variety

パトカーが容疑者識別も、AI活用の警察向け車載カメラ発表 – CNN Japan

ワシントン(CNNMoney) 警察用向けのカメラ販売を手がける米コーバン・テクノロジーズはこのほど、人工知能(AI)を使って人物から車種や銃まであらゆるものを識別できる車載カメラを発表した。

このカメラでは、例えば自動車の車種などを自動的に識別できる。現在のカメラでもナンバープレートを読み取ることはできるが、コーバンの車載カメラの場合、ナンバープレートがなくても識別が可能だという。

現時点で同カメラの機能はまだ限定的。しかしその先端技術を活用して、例えば銃の種類を識別するといった独自の機能を追加することも可能だという。

防犯対策用にこのカメラを試験導入しているロサンゼルス市警は、交通違反の取り締まり分析といった業務に活用して、警察官の訓練に役立てることを想定している。将来的には、プライバシー上の懸念について地域社会と話し合った上で、顔認識技術を取り入れることも検討する。

コーバンの技術は6台までのカメラで利用でき、パトカーに装備したカメラで360度の撮影も可能になる。そうなれば顔認識も容易になる。

撮影した映像はその場で自動解析できるといい、コーバンではパトカーに誰かが近付くと警報が鳴る機能のテストも行っている。

ロサンゼルス市警が車載カメラで撮影したビデオは330万本、ボディーカメラで撮影したビデオは250万本を超す。そうしたビデオの解析には相当の時間がかかっていたが、コーバンの技術を使えば即座に解析できるという。

「2020年までにスマートシティに配備されるカメラは10億台。そのカメラを見るために30億人が必要になる。これは現実的ではない」。コーバンと組むハイテク企業NVIDIAの幹部はそう話している。

イヌの顔に浮かんだ「表情」が理解できますか – Yahoo!ニュース 個人

 イヌが家畜化されたのは数万年前(4万年前~1万2000年前)とされているが、ヒトという社会的な生物と共同生活する以上、彼らもまた社会的なコミュニケーション能力を獲得したはずだ。もともとイヌ科には社会的な生物が多い。ヒトとイヌが一緒に暮らすことは、ネコよりもスムーズに行われたと考えられる。

もちろんイヌにも表情がある

 家畜化される過程でイヌはヒトの合図などに対する感受性を磨いただろうし、イヌ特有のヒトに対する感情表現も備えていったはずだ。イヌは飼い主の表情をよく観察し、その言動に注意を払い続けている。これは当然だがオオカミにはない能力だ(※1)。また、イヌは飼い主が好きなもの嫌いなものにはとても敏感だが、好きなものにより強く反応する(※2)。

 ノルウェーのドッグ・トレーナー、ツリッド・ルーガス(Turid Rugaas)は、イヌのボディランゲージを「カーミング・シグナル(Calming signals、穏やかな信号)」と名付けた(※3)。それによれば、イヌはヒトとコミュニケーションするために30種類ほどのシグナルを送っている、と言う。

 イヌには「表情」とも言うべきシグナルもあるように思えることがある。実際、イヌはオオカミとは違った、解剖学的にどちらかといえば霊長類に近い顔面筋肉を独自に発達させてきたようだ。例えば、イヌの顔面筋肉には疲労しにくい遅筋(Slow-Twitch)繊維がオオカミより多いため、同じ表情を長く保つことができる、と考えられている(※4)。

 また、我々ヒトのほうもイヌの表情をよく読み取ることができるらしい。イヌの表情を読むことに長けたドッグ・トレーナーによって様々なイヌの表情写真を選んでもらい、それを基準にしてイヌに慣れたグループと慣れていないグループでどう評価するか比べた実験(※5)では、どちらのグループもイヌの感情表現を写真から評価することができた。

 ただ、イヌに慣れているグループは慣れていないグループよりも正確性に欠け、イヌの表情を読むことに消極的な傾向にあるようだ。イヌに慣れていないヒトは、イヌの感情表現に敏感なのかもしれない。この実験をした研究者は、ヒトの表情研究の第一人者である米国の心理学者ポール・エクマン(Paul Ekman)の理論が、ヒト以外の生物、イヌにも応用できることがわかった、と言っている。

イヌはもっとコミュニケーションしたがっている

 そんなイヌの表情だが、イヌはヒトとのコミュニケーションに表情を積極的に使っているのではないか、という論文が英国の科学雑誌『nature』の「Scientific Reports」に出た(※6)。英国ポーツマス大学の研究者は、イヌの表情がヒトの行動に応じて作られているかどうかを調べた、と言う。

 実験者がイヌに顔を向けているか背を向けているかという条件、食べ物を持っているかいないかという条件を組み合わせた合計4つの状況を用意し、イヌがそれぞれの状況でどんな表情を作るかをビデオカメラで記録し、それぞれの表情を解析した。その結果、実験者がイヌに顔を向けているときのほうが、実験者がイヌに背を向けているときよりイヌの顔の動きが有意に活発になった。一方、食べ物を持っているかどうかは表情に影響を及ぼさなかった。

 つまり、ヒトの顔が見えている場合、イヌも表情を豊かにしたが、食べ物の有無とイヌの表情とは関係がない、ということになる。研究者は、イヌがヒトとコミュニケーションを取ろうとして顔の表情を作り、ヒトと対面しているかどうかで表情を作る頻度が高くなるのではないか、と考えている。

 ネコやウマにはフレーメン(Flehmen)という上唇をめくり上げる生理反応があるが、これはフェロモンの受容器官である鋤鼻器(ヤコブソン器官)を空気にさらすことを目的にし、笑っているように見えるのは錯覚だ。霊長類以外の生物の表情は無意識に生じる不随意筋の反射であり、柔軟性のない情動反応が現れたものに過ぎない、とこれまで考えられてきた。

 だがこの論文によれば、イヌの表情はより柔軟なシステムであり、イヌの「喜怒哀楽」のような情動反応とヒトの存在に対する認知機能のようなものとの組み合わせ、ということが示唆される。イヌは自分の感情をある意志を持って表情に表すことができることを明らかにした、と研究者は主張しているが、尻尾を見ればイヌがどんな気持ちかわかることもある。

 ヒトもイヌも社会的な生物だし、言語を介さずとも表情や尻尾などでノンバーバルな感情表現は可能だ。実は両者のコミュニケーションはもっと密接で複雑なものなのかもしれない。これからはイヌの表情を注意深く観察し、もっとコミュニケーションを取ったほうがいい。

※1:Adam Miklosi, et al., “A Simple Reason for a Big Difference: Wolves Do Not Look Back at Humans, but Dogs Do.” Current Biology, Vol.13, Issue9, 2003

※2:B Turcsan, et al., “Fetching what the owner prefers? Dogs recognize disgust and happiness in human behaviour.” Animal Cognition, 18(1):83-94, 2015

※3:Turid Rugaas, “On Talking Terms with Dogs: Calming Signals.” Dogwise Publishing, 2005

※4:Anne Burrows, Rui Diogo, Bridget Waller, Juliane Kaminski, “Variation of Facial Musculature between Wolves and Domestic Dogs: Evolutionary Divergence in Facial Movement.” The FASEB Journal, Vol.31, No.1, 2017

※5:Tina Blooma, Harris Friedman, “Classifying dogs’ (Canis familiaris) facial expressions from photographs.” Behavioural Processes, Vol.96, 1-10, 2013

※6:Juliane Kaminski, Jennifer Hynds, Paul Morris, Bridget M. Waller, “Human attention affects facial expressions in domestic dogs.” Scientific Reports, doi:10.1038/s41598-017-12781-x, 2017

【動物行動学】イヌは顔の表情で意思の疎通を図ろうとしているかもしれない – Nature Asia

家犬が顔の表情を使って意思の疎通を図ろうとしている可能性のあることを明らかにした初期研究について報告する論文が、今週掲載される。

動物の顔面表情は、柔軟性のない不随意の誇示行動で、感情状態の反映とされ、他者と意思の疎通を図ろうとする積極的な試みではないと考えられてきた。ところが、非ヒト霊長類の顔面表情には、観客の存在という要素が介在していることが明らかになり、霊長類は、その顔面表情を他者に見られているかどうかをある程度理解している可能性のあることが示唆された。しかし、霊長類以外の動物種については、これと同じような観客の注目に対する感受性によって顔面表情が作られていることを示す証拠がなかった。

今回、Juliane Kaminskiたちの研究グループは、イヌの顔の表情が、人間がイヌに注目しているかどうかに応じて作られるのかどうかを調べた。今回の研究では、実験助手がイヌに顔を向けているか背を向けているかという条件と食べ物を持っているかいないかという条件を組み合わせた合計4つの状況に24種の家犬を置いて実験を行い、ビデオカメラを使って、それぞれの状況下でのイヌの顔面表情の応答を記録し、解析した。その結果、実験助手がイヌに顔を向けている場合は、実験助手がイヌに背を向けている場合よりもイヌの顔の動きが有意に活発になり、食べ物を持っているかどうかは結果に影響を及ぼさないことが明らかになった。

Kaminskiたちは、イヌが意思の疎通を図ろうとして顔の表情を作っており、他者からの注目に応じて顔面表情を作る頻度が高くなるという考えを示している。顔面表情は、無意識に生じる反射的なシステムで感情を露呈したものだと考えられてきた。これに対して、Kaminskiたちは、顔面表情がもっと柔軟なシステムで、イヌの情動過程と認知過程と思われる過程を組み合わさっていることが、今回の研究データによって示されていると主張している。

DOI:10.1038/s41598-017-12781-x | 英語の原文

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。