「結局はMacを使っている」NAKED代表・村松亮太郎氏の仕事術



「FLOWERS」や「天空の楽園 Winter Night Tour STARS 」が開催中

2017年03月08日 17時00分更新

文● 吉田ヒロ


NAKED代表・村松亮太郎氏

 みなさん、こんにちは。ASCII(週刊アスキー+ASCII.jp)編集部の吉田ヒロでございます。さて3月20日まで、東京・日本橋にある日本橋三井ホールで「FLOWERS by NAKED」というイベントが開催されているのはご存じでしょうか。

東京・日本橋にある日本橋三井ホールで3月20日まで開催されている「FLOWERS by NAKED」

 ご存じの方も多いかと思いますがNAKEDといえば、2012年に東京駅復元プロジェクトを記念して開催された「TOKYO HIKARI VISION」のプロジェクションマッピングで有名な会社ですね。

、2012年に東京駅復元プロジェクトを記念して開催された「TOKYO HIKARI VISION」

 直近では3月31日まで長野県阿智村で開催中の「天空の楽園 Winter Night Tour STARS BY NAKED」なども手がけています。

長野県阿智村で開催中の「天空の楽園 Winter Night Tour STARS BY NAKED」

 今回、NAKEDの代表取締役を務める村松亮太郎氏がMacやiPhone、iPadを使いこなすユーザーだと聞きつけて、アップル製品をどのように活用しているかを聞いてきました。

 村松氏とアップル製品との出合いは、1990年代前半だったそうです。もちろん、当時はプロジェクションマッピングという手法は一般化しておらず、NAKEDという会社も設立されていませんでした。

 実は村松氏、もともとは役者を目指していたそうです。その過程でMacに出合ったことがきっかけで「Macがあれば自分で映像が作れるんじゃないか」と思ったそうです。そこからはMacにどハマりしてしまい、Macに資金をどんどんつぎ込んだ結果、収支的に厳しい状況になったこともあったとか。

 そんな映像作成から始まり、本葉として大きな成功を収めたのがテレビ番組などのオープンニングなどに流れる凝ったCGのテロップ制作。当時はProではないAdobe Premiereはありましたが、Final Cut Proなどは登場していませんでした。そこで、そういったテロップ制作にはMedia 100やAvidなどを使っていたとのこと。Media 100懐かしいっすね。なお、NAKEDの設立は1997年


1990年代からMacを使い始めたという村松氏。最初は映像を自分で撮りたいと思ったのがきっかけだそう

 村松氏はNAKEDを1997年に設立し、1990年代後半はテレビ番組のテロップ制作がメインの業務となるわけですが、映像編集のシステムが豊富に揃っていたわけではなかったそうです。そこで行きつけの家電量販店の店員さんと一緒に、当時としては破格の総容量16GBのストライピングRAIDシステムを構築したそうです。店員さんもそんな製品を売った経験も使った経験もないわけで、製品の特徴や使い方はカタログなどを見て想像するしかない時代ですね。

 そんな村松氏のメインマシンは現在もMacで、15インチのMacBook Proを使っているそうです。ここで少し疑問がわいてきたので、村松氏に次のような質問を投げてみました。

――なぜ、いまでもMacを使われているのでしょうか?
村松氏:昔から使っていたこともありますが、現在でもAdobe After Effectsなどをかなり使い込んでいるので、ずっと使ってきたMacに慣れているんですよね。

――アドビのソフトではあれば、現在ではUI回りはmacOS版もWindowsも変わらないのでは。あと、アドビのサブスクリプションだとどちらのOSで使っても追加料金は発生しませんよね。
村松氏:確かにそうなんですけど。(同席したスタッフの方に声をかけながら)うーん。Macの魅力ってなんなんだろ。そうそうフォントかもしれない。Windowsのフォントはやっぱり好きに慣れないんですよね。

――なるほど、確かにそれは私も同感です。UIまわりの好みは譲れないポイントですね。ところで、映像制作にはマシンパワーが必要ですが、Macの場合はMac Proが2013年にからアップデートされていませんよね。不足を感じることはないのでしょうか。

村松氏:もちろん、作業内容によってはMacとWindowsを使い分けています。でも、スタッフのほどんどは結局Macを使っていますね。

 いろいろ話を聞いていくと、Macを使い続ける理由はそれだけでないようでした。村松氏は、iOSデバイスについても新製品が出るたびに買い替えているそうで、もはやiPhoneは最も大事なデジタル機器になっているそうです。

 iPadについては初期から使い続けていたものの、最近までは必須といえるほどのツールにはなっていなかったそうです。しかし「iPad Proの登場でなくてはならないモノになった」そうです。村松氏は12.9インチのiPad Proを使っているそうですが、Apple Pencilによる手書き機能が、いまやビジネスを円滑に進めるうえで欠かせなくなっているとのこと。

 「作業指示を出す際に、ラフレイアウトなどをササっとiPad Pro上に書いて相手のMacなど直接送れるのが便利ですね。2画面表示もできるので、チャットでスタッフとやり取りできますし」とのことでした。そのため、厳密な現在のメインマシンというとiPad Proになるそうです。MacBook Proはすべてのデータが入っている母艦という感覚だそうです。


NAKEDの社内グループは色環で表現されており、業務が近いスタッフの異動や連携も活発だそうです

 アップルは、MacとiOSデバイスのシームレスな連携を進めており、パスワード入力やアプリのダウンロードなしでデータを無線で送信できる「AirDrop」、一方の作業をもう一方のデバイスに引き継げる「Handoff」、ユーザーが作成したほとんどのデータをクラウドで一元管理できる「iCloud」などの機能が備わっています。このあたりの連携機能がポイントになっているかもしれませんね。

 話は変わって、FLOWERS by NAKEDについて話を聞いたところ、「来場者の皆さんが我々の作品を見てInstagramなどで新しい作品に昇華させているのが素晴らしい」とのことでした。村松氏はNAKEDの作品について「作成中はもちろんコンセプトに基づいて作り上げていきますが、完成した作品に自分のコンセプトを押しつける気はない」そうです。

 「極端な話、意図したコンセプトを理解されなくても、違う魅力を見つけて感動してもらえればうれしい」と村松氏。例えば、2012年に開催された「TOKYO HIKARI VISION」ではおばあさんに、「すりーでぃーぷろじぇくしょんまっぴんぐはどこです?」と聞かれたとのこと。3Dプロジェクションマッピングの仕組みやコンセプトはわからなくても、東京駅でなにか面白いことをやっていることがシルバー世代にまで広まっていることに驚き、同時にうれしさがこみ上げてきたそうです。

 また、「Ready for」と呼ばれるクラウドファンディングサイトで出資を募った「気仙沼の仮設校舎を『日本一素敵な校舎』にするプロジェクト」では、そこに通う高校生たちと一緒に作品を作り上げたことも話してくれました。「与える支援よりも、高校生と一緒に作品を作り上げたかった」とのことで、「自分では思い付かなかった演出もあり、勉強させられることもあった」と村松氏。

 デジタル機器の発達でデジタルアートも消費の時代に入っている現在、誰が作っても短時間で一定クオリティーの作品が完成することもしばしば。村松氏は「自分たちの作品をデジタルアートやインスタレーションとして世に送り出している感覚はないんです。いまではNAKEDがプロジェクションマッピングの会社であると思っている方が多いかもしれませんが、それはたまたま。今後もさまざまな映像作品を作り出していきたい。日常にあるオーセンティックな題材に新たな感動や魅力を吹き込みたい」とのことでした。

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