スマホかざし商品情報 インテックが音読アプリ 視覚障害者の買い物支援 – 日本経済新聞



 インテックは店頭で販売されている商品の情報を音声で読み上げる、視覚障害者向けのアプリを開発した。スマートフォン(スマホ)にインストールして使う。陳列棚にかざすとカメラ機能で商品を認識し、商品名や容量といった情報が分かる。12月には筑波技術大学と連携して実証実験を行う予定で、まずは視覚障害者からの要望が多いコンビニエンスストアや自販機対応のサービスとして早期の実現を目指す。

スマホには視覚障害者の利用を支援する機能がある

 同社のアプリはカメラ機能によって商品を画像として認識し、特徴を数値化。スマホの通信機能によってリアルタイムで商品データベースと照合する。データベースに蓄積された商品情報も数値化されており、双方の数値を突き合わせることで商品を特定し、商品名などの情報を読み上げる仕組みだ。

 データベースは商品情報を持つ卸会社と協力して構築している。現在は飲料や洗剤などパッケージ化された日用品を中心に15万~16万点分の商品情報が蓄積されており、随時、新商品の情報を追加する。店側と協力して情報を増やすことでコンビニ以外の店舗で利用することも可能になる。インテックは将来的に、生鮮食品や総菜にも対応させたい考えだ。

 商品が傾いていたり横になったりしていても特徴を認識できるほか、スマホを棚にかざすと振動や音声で対象商品に誘導する独自技術を盛り込み、視覚障害者の使い勝手に配慮した。同社は商品を特定するほかに、人や障害物の接近を音などで知らせる機能も視野に入れている。

 視覚障害者の買い物を支援するアプリとしては、カメラ機能で商品包装のバーコードを読み取って商品情報を読み上げたりスマホで撮影した文字を読み上げたりするものがある。ただ、視覚障害者がバーコードや文字を探すことなどが難しいという課題があった。

 視覚障害者が店で買い物をする際、店員の付き添いを受けるケースもある。ただ気軽に買い物ができず、支援を受けることが心理的負担となる場合がある。インテックは同社のアプリを使えば「欲しい商品の購入や店内の安全な移動が可能になる」としており、現在ビジネスモデルを検討中。視覚障害者の支援アプリを作る企業と協力して、アプリの利用者に毎月課金するなどの方法で事業化することを目指しているとみられる。

 同社によると、スマホを持つ視覚障害者は増えている。米アップル「iPhone」とアンドロイド端末には画面上で触れた部分を音声で説明する機能があり、目の見えない人でも操作できる。例えばiPhoneの「ボイスオーバー」機能では項目をタップすると音声で内容を読み上げ、ダブルタップすると実行される。視覚障害者の半数以上がスマホを持っているとのデータもあるという。

■音声で手助け 開発活発 百貨店や駅での誘導

 厚生労働省が2013年にまとめた推計によると、視覚障害の手帳を持つ人は約32万人。20年の東京パラリンピックを控えて障害者全般への関心が高まる中、視覚障害者を支援する取り組みが官民で進む。

 パナソニックは16日に買い物支援サービスの実証実験を有楽町マルイで行う。スマートフォン(スマホ)のカメラ機能を通じて捕らえた店内の映像と音声がコールセンターにリアルタイムで送信され、担当者が対話しながら買い物を手伝う。

 売り場やエスカレーターへの誘導にも柔軟に対応する。18年4月にもサービス提供を始め、東京パラリンピック開催までに百貨店など100店での導入を目指す考えだ。

 国土交通省は駅のホームからの転落事故を防ぐため、カメラで盲導犬や白いつえを検知し音声で誘導するシステムの民間開発を支援する。開発費補助のため、18年度の概算要求に約2億9000万円を盛り込み、数年以内の実用化を目指す。

 同省によると視覚障害者の転落件数は年間90件を超えており、ホームドアとの併用で安全確保につなげる。





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