【住む街ガイド】小説『ゴールデンスランバー』の舞台を歩いたら、仙台の暮らしの良さが見えてきた – ガジェット通信



小説『ゴールデンスランバー』(伊坂幸太郎・著)の舞台になった仙台の暮らしやすさとは?ゴールデンスランバー 伊坂幸太郎・著 1,015円/新潮文庫

ゴールデンスランバー
伊坂幸太郎・著 1,015円/新潮文庫『ゴールデンスランバーのあらすじ』

仙台市内の大通りをパレード中の首相が、ラジコン飛行機に仕掛けられた爆弾によって暗殺された。犯人の濡れ衣を着せられた宅配ドライバー青柳雅春の逃走を描いたエンターテインメント長編作。本屋大賞&山本周五郎賞を受賞し、堺雅人が主演した映画も大ヒット。見事な伏線の回収、興奮と感動の結末は、まさに「たいへんよくできました」!手に汗握る逃走劇が本当の仙台を際立たせる

杜の都、仙台。その成り立ちは、伊達政宗の治世にあるという。食糧難に備えた屋敷林や、風雪を防ぐための植林が由来とされる。そう、仙台の木々は生活を支え守るものだった。1945年の戦災で一度は途絶えたが、復興に伴い街は緑を取り戻す。今では青葉通りや定禅寺通りのケヤキ並木は街のシンボルとして市民に愛されている。

そういった歴史から、街には、緑が多く自然が日常生活に溶け込んでいる。青葉区の中心部は歩道も広いので歩くのも心地よい。開放感があり、穏やかな気持ちになる。

伊坂幸太郎の『ゴールデンスランバー』では、そんな仙台の空気が一変する。首相暗殺事件が発生、濡れ衣を着せられた青柳雅春が逃走劇を繰り広げる。作中には仙台のさまざまな場所が出てくる。仙台駅、東二番丁通り、広瀬川……。街に住む人たちにとっては身近な場所で、事件前の青柳にとってもそうだったはず。しかし、事件を機にその街が圧迫感を醸し出す。仙台は気候が良くて過ごしやすく、治安も良好。仙台の人はのんびり屋が多いとも言われる。そんな街がスリルとサスペンスの舞台というのは、少し皮肉めいている。

物語のキースポットのひとつである勾当台公園では、ダンスを練習する若者や散歩中の家族などが和気あいあいとしていた。作品に漂う緊迫感と、正反対の光景。伊坂幸太郎が描く真逆の姿によって、街の魅力が鮮明に感じられた。小説に登場するスポットを歩いてみよう!仙台周辺のスポットMAP
仙台周辺のスポットMAPスポット①:東二番丁通り地下鉄南北線あおば通駅から徒歩10分で行くことができる

地下鉄南北線あおば通駅から徒歩10分で行くことができる

すべてのはじまりとなる、パレード中の金田首相が爆殺された通り。南北に伸びる国道286号の中で、仙台市立病院前交差点から勾当台公園前交差点までの区間を指す。

現実でも荒川静香や羽生結弦がオリンピックで金メダルを取った際や、東北楽天ゴールデンイーグルスが日本シリーズで優勝した際にこの通りでパレードが行われた。

●住所:宮城県仙台市青葉区
●アクセス:地下鉄南北線あおば通駅から徒歩10分スポット②:仙台駅東口駅内で食事をすることもできる

駅内で食事をすることもできる

仙台駅にはJRと仙台市営地下鉄が通る。東口は2013年から再開発工事が始まり、現在も施設を建設中だ。東口の駅前通りは道も広く、清潔感がある。

作中では、事件前に中古パソコンショップの前を青柳雅春が友人の森田森吾と歩いたり、逃亡中に青柳が向かったり、東口の家電量販店でICレコーダーを購入したりと幾度も描写された。

●住所:宮城県仙台市青葉区中央1スポット③:勾当台公園勾当台公園は、いこいのゾーン・歴史のゾーン・にぎわいのゾーンという3つのエリアで構成されている

勾当台公園は、いこいのゾーン・歴史のゾーン・にぎわいのゾーンという3つのエリアで構成されている

首相暗殺事件から三日目に逃亡していた青柳雅春が投降してきた公園。作中では「中央公園」という名前で登場している。仙台市役所前にあって、よくイベントも開催され、見通しが良いとなると、勾当台公園がモデルで間違いないだろう。

●住所:宮城県仙台市青葉区本町3-9
●アクセス:地下鉄南北線勾当台公園駅から徒歩すぐスポット④:広瀬川轟煙火工場の雪掻きを行った者たちが、この仙台七夕花火大会の特等席にやってきていたという

轟煙火工場の雪掻きを行った者たちが、この仙台七夕花火大会の特等席にやってきていたという

仙台市に流れる一級河川。市のシンボルとして親しまれており、西公園周辺の河川敷で毎年、仙台七夕花火まつりが開催される。

作中で大学時代の青柳雅春が樋口晴子、友人の森田、後輩のカズと一緒に花火を見に訪れる。その際、青柳は樋口に告白し、2人は交際を始める。仙台をますます好きになるイチオシスポット:牛タン焼専門店 司司の牛タンは、もはやエンタメ!なおいしさ

司の牛タンは、もはやエンタメ!なおいしさ

仙台といえば、やっぱり牛タン。その中でも一度は食べておきたいのが、この司だ。仙台に4店舗を構え、ロサンゼルスにも出店する人気店。当然、実力は本物。オーストラリア産最高級ブランド牛の柔らかい舌元を熟成させて使うなど、素材にこだわっている。

●住所:宮城県仙台市青葉区国分町2-13-27 瀬戸ビル1F
●TEL:022-265-6029
●営業時間:17:00~23:00(L.O.22:30)
●定休日:不定休仙台の暮らしやすさについて

青葉区は仙台の中核となる区。青葉区の人口だけでも30万人を超え、一番町なら商業街、国分町なら歓楽街、上杉なら閑静な住宅街と、エリアごとに異なる顔を見せる。

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文=綱島剛
写真=尾形和美
イラスト=さとうみゆき

※「CHINTAI2017年9月号」の記事をWEB用に再編集し掲載しています
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