ちっこいハイレゾ機「PAW pico」がなんかかわいい

春のヘッドフォン祭 2017
第13回

トップウィングブースはスキマを狙ったアイテムがそろう

2017年04月30日 17時20分更新

文● 天野透/ASCII

 開催中の春のヘッドフォン祭2017、TOPWINGブースではLotooをはじめとした、間隙を縫うようなアイテムが多数登場している。

 まずは新製品発表会も開かれた話題の超小型ハイレゾプレイヤー「PAW pico」。ディスプレーもカードスロットもないという思い切ったもので、重量は単3電池と同等の26g(平たいためもっと軽く感じる)。操作は本体スイッチのほか、Bluetooth接続のスマホのアプリからもできるという。

 10時間の再生時間を確保するために徹底して省電力化。そのサイズと仕様から、ブースでは「DSD版iPod shuffle」なんていう声も聞かれた。発売時期は未定だが、価格は2万円半ばくらいを想定しているという。

指先でつまめるハイレゾプレイヤー「PAW pico」

会場には試聴機が大量に準備されている

 そのとなりにあるエニグマアコースティック「Daharma D200」は同社初のダイナミック型イヤフォン。通常は違うインポーターが取り扱うブランドだが、Lotooの開発時にリファレンスに使っているということで、今回コラボレーションが実現した。同社のシャン・リーさんが「原点回帰」と語るシンプルモデルで、シルバーケーブルを採用している。発売時期は5月中旬から下旬、価格は3万円台前半を想定している。

電源不要の静電駆動ヘッドフォンで名を馳せたエニグマアコースティックが「原点回帰」と語るイヤフォン「Dharma D200」

 iFi-Audioブランドでは、静電型ヘッドフォン向けアンプ「Pro iESL」が異彩を放っていた。主な音声入力は一般的なRCAやXLAではなく、なんとスピーカー端子。プリアンプのスピーカー出力を使う、いわば「静電型ヘッドフォン向けパワーアンプ」で、そのためゲイン調整はあってもボリュームダイヤルはない。出力はXLR4ピンのほか、iFiブランドの他製品にHDMIケーブルを使ってアナログ信号を出すという独自のものも搭載している。発売日は6月中で、価格は20万前後になるという。

静電駆動ヘッドフォン向けアンプ「Pro iESL」(画像下)。よーく見てみると、ボリュームノブがない

入力はなんとスピーカー端子。静電駆動ヘッドフォン用のパワーアンプという位置付けだ

 同じくifi Audioの「iGalvanic3.0」は、USB3.0接続のノイズフィルター。同社が得意とする、種類の異なる金属が接触した時に発生する「ガルバニック起電力」を低減する技術が搭載されていて、従来品はUSB2.0だったものがアップグレードされた。発売時期は5月または6月としていて、価格は4万8600円。

コネクター間のなどガルバニック起電力を低減する「iGalvanic3.0」。ifi audioのキーテクノロジーのひとつ

 IFi-Audioの製品としては、新製品の「nano iONE」にも注目だ。税別2万7000円で小型のUSB DACで、最大12.4MHzのDSDや384kHzのPCM(DXDファイル)などにも対応できるほか、aptX対応のBluetooth接続も可能だ。S/PDIFにガルバニック絶縁テクノロジーを採用、Active Noise Cancellation(アクティブ・ノイズ・キャンセレーション)というノイズ抑制システムなどを備える。小型だが、使い勝手/音質ともに侮れない機種だ。

 ブースには「TOPWING」ブランドで展開する、コアレス・ストレートフラックス型カートリッジ「青龍(せいりゅう)」をTien Audioのアナログターンテーブル「TT3」(税別55万円)と組み合わせて展示していた。青龍は3月に発表した独自開発のカートリッジで、価格はヘッドシェル付属で税別50万円。

青龍

 ナカミチ時代の縁を通じた純日本生産。コアレス・ストレートフラックスとは、一般的なMM型/MC型とは異なる、ショートレンジで磁束変化をコイルに伝える新方式とのこと。スタイラスの振動をコイルに伝える経路に磁気損失や磁気歪みを発生するコア材を使用しない。MCとは逆にカンチレバーの周りにコイルがあり、マグネットの直近にコイルを45度の角度で配置している。特性としてはMC型に近く、レコードの溝から得られる情報量が豊富だという。一方、スタイラス部分が独立しているので、MM型のように針交換もできる。

 トップウィングの佐々木原幸一社長は「音場感と定位にむちゃくちゃ自信がある」と語っていたが、音を聴くと確かに納得という感じだった。40年前のLPレコードを最新の技術で生々しく聴く感覚は、瑞々しい情報にあふれていて、まさに邂逅というべきものだった。

 ちなみに青龍は東西南北をつかさどる四神にちなんだものだが、朱雀の開発も進んでいるとのこと。販売が好調なら、玄武、白虎と価格帯や個性の異なる製品を投入していくそうだ。

TT3

 TT3も個性的なターンテーブルで、アウタープラッターを磁力で浮かし、3つのモーターで駆動するベルトドライブ方式となっている。アームベースは2つ増設でき、最大3本のアームが利用できる。アームのVIROAは1点支持で、トーンアームはとり外せる。カートリッジで音の変化を楽しみたいという際には、カートリッジのついたアームごと交換してしまうということも可能だ。

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